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「…椎名」 「はい…」 「下唇のことだけど」 「……」 「吸いたくなるから、 今は仕舞って」 「……」 わたしは頬を熱くしながら、 はい、と大人しく 指示に従った。 ちら、と目を上げ、 先生の顔を見ると、…その顔に、 何となく疲れが 見える事に気付いた。 「先生、…寝不足なんですか」 「ああ、少しね。 …これから色々、 やることも多いから。その準備で」 「大変なんですね、先生って…」 「俺より、お前らの方が大変だろ」 先生はそう言って、 ニッと笑った。
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