314人が本棚に入れています
本棚に追加
「いよいよ大詰めだから、
大したことは出来ないけど、
俺もがんばらないと。
これが担任としての
最後の仕事だしね」
…先生…。
何だか、自分のふにゃふにゃ感が
急に恥ずかしくなって、
わたしは背筋を伸ばした。
「先生、ごめんなさい」
「ん?」
「もう、ふにゃふにゃしません。
わたしも、しっかりします。
先生がクラスの皆のために
がんばってくれてるんだもん。
そう思えば、しばらく
会えないことくらい、
ガマンしなきゃ」
「…うん。エライ」
コハク色の瞳に、白い床に
反射した光が映り込み、
美しく透き通って見える。
吸い寄せられそうになって、
わたしは寸前のところで
踏みとどまった。
最初のコメントを投稿しよう!