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 その日からわたしは、 大好きな家族や、新しい友達と 言葉を交わすたびに、 虚無感に囚われるようになった。  学校を辞める、という 選択肢を視野に入れ始めた ちょうどその頃、放送部の 副顧問である春山先生と出会った。  放送部に入ってから、 わたしの毎日が変わった。  恋愛相談を受けると、 空っぽだったはずの自分の中から、 相談者が欲しがっている言葉が、 次々と紡ぎだされて来る。  そしてわたしの放送を聞いた 人たちが、喜んでくれる。  放送を続けるうちに、 わたしは徐々に気付き始める。  周囲の人たちが 欲しがる言葉を 先回りして発している だけだと思っていた、 過去の言葉たち。  それも立派な、 『私の言葉』だったのだ。
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