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「…はい…」
ゆっくりと後方の
先生に顔を向ける。
すぐ傍にある先生の瞳には、
わたしが映っていた。
「先生…」
胸の奥がきゅうっと熱くなる。
わたしはうっとりと目を閉じた。
…今度こそ、今年最初のキス…。
「せんせー!」
「……」
響き渡った声に、わたしたちは
車の方を振り返った。
祐希がむくれた顔をして、
後部座席から降りて来る。
「なんで起こしてくれないのっ。
ずるいよ、二人だけ
初日の出見るなんて」
先生がさりげなく腕を解き、
わたしはするりと
先生の隣に移動した。
その間に、祐希が駆け付ける。
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