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その時が訪れたのは、突然だった。
「な、何考えてんだよ先生っ!!」
「そんなこと…成功するわけがないじゃないですか!?」
「考え直して下さい、先生!!あまりにも無謀すぎる…」
たまたま先生の部屋の近くを通った私は、みんなの言い争う声を聞いてしまった。
先生に対して皆がこんなに声を荒げるのを初めて聞いたから、ついつい気になって聞き耳を立ててしまった。
「成功しないとは限りません。それに、私は今回の件がどうしても許せないのです。」
「だからってこんなこと…賛成出来るわけないじゃないですか!!」
「老中間部の暗殺なんて…不可能だっ!!」
どくんっ
…今、なんて言った?
アンサツ?なにそれ…
先生は、一体、何を言っているの?
頭が言葉を理解し切れなくて、心臓がうるさいほど音を立てて、気がつけば私は部屋の中に飛び込んでいた。
「うおっ、お前!?」
「春??いつからそこに「冗談だよね!?」
皆の驚く声と先生の言葉を遮って、必死に言葉を紡ぐ。
けど頭の中がぐちゃぐちゃになってて、中々言葉が出てこない。
「…っ暗殺…なんて、冗談…ただの聞き間違い…だよね?だって、先生が…あ、暗殺、なんて…そんな…っ恐ろしいこと!!」
「…本当ですよ。」
「…っ!?」
否定して欲しくて投げかけた私の問いに返ってきたのは、無常にも先生の肯定の返事だった。
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