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「いたた…一体何が…」
「なんでもいいから早く俺の上からどきやがれ!!重いだだだだだだだ!!!!」
「んだと馬鹿牛!!乙女に向かってなんてこと言うんだ、あぁ!?」
「誰が馬鹿牛だ誰が!!お前なんか乙女どころか女でもねぇよ!!!」
「~っ、謝れ!!今すぐ土下座して謝れ!!」
私が勢いつけてぶつかったこの男、馬鹿牛こと高杉晋作。
こいつも栄太郎と同じく人のことをまるっきり女と見ちゃいない失礼な奴だ。
…馬鹿牛、許すまじ!!
「いい加減さっきから痛ぇんだよ!!大体なぁ、俺だって被害者だっての!!いきなり栄太郎に腕引っ張られたと思ったらお前が突っ込んで来るし…お前の方こそ土下座して謝れや!!!!」
「馬鹿牛に土下座するくらいなら蟻に土下座するわ!!」
「あぁ!?つまり俺は蟻以下だってか!?上等だ…俺の素晴らしさ、今からその身に意地でも叩き込んでやらぁ!!」
「その前に私の素晴らしさを叩き込んであげますよ、牛の体にね」
「ぶへっ!!!!!!!!」
「ちょ、えええええええええ!!??」
突然の介入者に驚く暇もなく、晋作が弧を描きながら空を舞う。
それをただ呆然と見ているしか出来ない私。
遠くで、ベチャッと何かが落ちる音がした。
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