第3話

2/35
前へ
/35ページ
次へ
「可哀想な女演じるの 止めたら?」 18歳の多良田さんに、変な言いがかりをつけられ、 早くお迎えに行かなきゃいけないのに、駐車場にて 足止めを食らってしまう。 「…………あなた、既婚者の山岡工場長を好きなの?」 腕を放してくれない、彼女の手は、 白くて張りがあって、 ホントに ″ 女の子 ″ の手をしている。 「悪い?」 これから、いくらでも恋ができる18歳。 なのに、 どうして? 「そんな顔しないでよ、 私、彼氏はちゃんといるんだよ、ほら」 多良田さんは、やっと私の手を離すと、 自身の作業着を掴んで 自分の鎖骨辺りを、私に見せつけた。 う、わ 「ね、ラブラブなの」 キスマーク。 「だから、既婚の山岡さんて、 経験多そうだし、セフレに丁度 良くない?」 次々と出る発言で、私を驚かせてくれる。 「………………勝手にやってください、私、関係ありませんから!」 それどころじゃないんだよ。 芹南、 泣いてなきゃいいけど。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加