第3話 #2

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「あ、おはようございます」 さっきまで一緒にいた正造とも遭遇し、 白々しい挨拶を交わす。 「親父、なんか話してた?」 「うん、子供元気かって」 「へぇ」 正造の手にトマトのペーストが握られている。 「社長、貴方と違って、色黒でワイルドよね」 人気パティシエの身体は、 肌も、筋肉も、とてもキレイだった。 手に持つトマトの赤が引き立つほど、色も白い。 「お前、おっさん好み?」 「ばっ!………違うわよ!、ただ、社長、 サーフィンとか、日サロとかが趣味なのかとな?と思って」 「…………………」 私が何気に想像してニヤついていると、 正造は、あきれた顔をして、私の耳元に囁いた。 「くだらねぇこと言ってたら、 また、″ 苺″に″ ミルク ″ ぶっかけるぞ」 「ミ………」 し、 下ネタ_________?!!! 「なんて事いうのよ?!」 「お前が、親父バカにするからだろ? おもしれーけど、忙しいから、さっさと工場長の指示を聞いてこい」 1人、トマトのように赤くなりながら、 「おはようございます」 山岡工場長のもとへ向かう。 「佐藤」 「はい」 黙々と小麦粉をふるいにかける工場長。 機嫌、悪い? 「お前、正造と同じシャンプーの匂いがするな」
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