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「そうなんですか?
同じシャンプーなのかもしれませんね」
私は、平静を装って今日の予定メモを眺めて、材料たちを用意する。
『山岡さん、鋭い』
工場長の目を見れないまま、鍋を用意してバターを入れて火にかける。
「佐藤」
「は、はいはい」
今度は何ですか?!
「お前、レシピ覚えたんだな」
「あ、定番のものだけですよ?」
工場長は、フッと笑うと、
「やればできるじゃん!正社員まで近いぞ!」
帽子の上から、私の頭をポンポンと撫でた。
「……ありがとうございます。」
あれ?
いつもの口うるさい、セクハラ親父の時とは違う笑顔に、
頭を触れられても嫌悪感はなかった。
そういえば、はじめに言ってたな。
出来たときは、ちゃんと誉めてやるって。
「佐藤!火にかけてるの止めたら、卵 撹拌機にかけろ!」
「はい!」
そうだ。
たとえ、エッチしてしまったからと言って、
正造と再婚するだけが、芹南を取り戻す術じゃない。
『仕事、頑張ろう』
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