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「………これ、冷凍庫に入れたらおしまいですか?」
ホントは、言い返したい所だけど、
きっと、小さい時から可愛がられて
チヤホヤされて育った女の子なのだろうから
私が何を言ったところで、性格は変わるものじゃない。
「そっ。それ、ちゃんとビニールかぶせてね、あとは任せたから」
「…………………」
搬入こそ、二人ですべきなのに。
20箱はあるケースを、
とりあえず指示通りに冷凍室に搬入し終えた頃には、
手がかじかんで、真っ赤だった。
しかも、半袖。
冷凍室から出ると
多良田さんは、和菓子の男と仲良さげに呑気にお喋りをしている。
今度こそ
「お疲れ様でした!」
タイムカード押してやる。
「ね、佐藤さん」
挨拶には、返事しなかった18才女子、
また、可愛い笑顔で話しかけてきた。
「なに?」
このひと、男の前ではカワイイんだよな。
「川島さんのお兄さんが、バツイチで独身なんだって」
「え」
和菓子の試作を作っていた正社員の川島さん、
まだ挨拶しかしたことがない。
年齢は、30代後半くらいかも。
「その、お兄さんと付き合ってみてら?」
「は?」
川島さんは、
「俺、そんなこと言ってねーだろ」
と、慌てて作業場に戻っていく。
この子……
「川島さんのお兄さん、51才で、お子さんは自立してるらしいし、浮気は風俗しかしないんだって、
佐藤さんにぴったりだと思うんだけど」
「どこが?!」
私が、嫌いなんだな。
「あんたみたいな、能無しのバツイチ子持ちなんか、
風俗大好きの、きったないオッサンで丁度いいって言ってんのよ」
私も
あなた
大嫌い
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