第3話 #3

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第3話 #3

「お母さん、強かったですね。 あと30分遅かったら危なかった」 N病院で蘇生措置施された母は、 何とか一命をとりとめた。 救急病院の集中治療室で、酸素マスクを装着しているけれど、表情は穏やかになっていた。 「ありがとうございました」 医師に頭を下げる。 「狭心症の薬は飲まれていたみたいだけど、心筋梗塞の疑いもあるので、一度カテーテル検査された方がいいかもしれませんね」 また、これからも、 こんな危険な事になりえることを、 さりげなく告げられて、 「強い発作は、どんなときに起こりますか?」 これから母を一人にさせるのは難しいかもしれないと思った。 「一番は、ストレス、心労と、寒さや脱水もダメだし、運動不足や過度な運動も気をつけてくださいね」 「…………はい」 ストレスかあ…… 芹南のことで、心配かけすぎたかな? 眠る母を見ながら、反省するしかなかった。 『………………煙草……吸いたいな』 集中治療室にいる看護師さんに告げてから、 喫煙所に立ち寄る。 吐く煙を見ながら、 『これも、体に良くないんだよな』 と、 一度止めたはずの煙草に手を出した己の意思の弱さもまた、反省課題だった。 病院の外にある喫煙所、 周りの樹木たちは、秋の色を濃くし始める。 寒いのは好きじゃない。 今年はさみしい冬になりそうだ。 「……佐藤?」
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