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「古臭い………」
確かに、それは私も思っていたこと。
「今時、あんな激甘の和菓子売れやしないのに、昔と変わらない技法で作ってるし、
ケーキもオーソドックスなのしかない、
デザインも昭和のまんまだしな」
だけど、山岡工場長は、何も変えようとはしないで、ただ、オーダー分作るだけで、
雇われてるから、義務的なんだと、
そう思い込んでいた。
「だけど、そんな洋菓子屋が長崎県に一つ位あってもいいじゃないかと、
そう思うようになったんだ。」
床のモップがけを終わらせた山岡さんは、
無口になった私をチラッと見て、
「お前を独り占めした正造のことは、
好きじゃねえよ」
先ほどの問の答えを、ニヤッとして返してきた。
「!」
ドキドキ………………
昨夜の熱い絡みを思い出してしまう私は、
「何、顔 赤くしてんだよ?」
やっぱり、スケベなのかもしれない。
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