第3話 #4

8/35
前へ
/35ページ
次へ
__正造との二回目のキスは、 辛くて 甘い。 そんな味がした。 「………寝室行くか?…」 「ううん、ここでいい………」 こんな夜に、絶対不謹慎だと思うからこそ、 余計に身体が、お互いに吸い付くように離れない。 乱れた呼吸の正造が、聞かずにはいられないほど、 「なんで、この間より ………良くなってんの?」 女としての感度の上昇が、加速をやめない。、 障子の戸が開かないと分かってはいても、 社長や 何故だか分からないけど、元夫の優に見られてしまってはどうしようかと思うほど、 過去を越えてしまった快楽と、 淫らな息が、 「………この間より、 気持ちが、強くなったからだよ」 この部屋の甘い香りを消し去ってしまう。 ソファーで、 座った体勢で抱き締めあったまま、 二人一緒に 孤独感を越えた世界中に イッたみたいだった。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加