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ちょんちょん、と
肩をつつかれ、
わたしは振り返った。
「はい。書いたら
前に回して」
トモコがにょきっと
大きなサイン色紙を
差し出す。
受け取って見ると、
色紙はすでに文字で
ギッシリと埋め尽くされ、
白地はほとんど
残っていなかった。
「書くところがないね」
「でしょー。みんな
字がデカイわ長文だわ。
後のこと考えずに
想いをしたためすぎ。
熱い感情溢れすぎ。
ラブレターなら
個人的に封書で
送ればいいのにさ」
色紙の中央には、
マリが描いた春山先生の似顔絵。
その不機嫌そうな顔が
あまりにそっくりで、
わたしは思わず笑った。
ほっぺには、
『ドＳ』の文字まで…。
…ん？
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