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「…どしたの」 「佐緒里…?」 肩を揺すられ、佐緒里は 真っ赤になった目を上げた。 「私も、…春山先生のこと、 好きだった…」 「ええっ」 皆が目を丸くする中、 わたしは黙って 佐緒里の顔を見つめていた。 ゴミ捨て場に向かう途中、 彩加と一緒に目撃した、 自動販売機の前での シーンを思い出す。 「うち、お父さんの 再婚の事で色々あったんだよね。 それで、話聞いて もらってるうちに、 どんどん好きに なっちゃって…。 だってあの人、 本当に優しいんだもん。 どうしても諦められなくて、 抱きついて必死で告白したけど、 …相手にしてもらえなかった…」 「……」 はらはらと零れ落ちる涙に、 わたし達が声を かけられずにいると、 「佐緒里、泣かないで」 ユカが佐緒里の肩を抱いて、 二人はしくしくと泣き出した。
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