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よく見ると『ドS』のその筆跡は
どう見ても、一番スペースを使った
大きな字で『いつか倒す!』と
書いている彩加と同じものだった。
…あーあ。彩加ってば。
…絶対、後で先生から
反撃食らうに決まってるのに、
相変わらず果敢なんだから。
隣の席の男子とふざけて
おでこの叩き合いをしている
彩加の方を呆れて見ていると、
トモコがポンと背中を叩いた。
「早くしないと、あと少しで
式の予行練習始まるよ」
「あ、そだね、ゴメン」
わたしは時計を見て、
慌ててペンケースから
ブルーのペンを取り出した。
…それにしても…。
わたしは色紙を改めて眺めた。
描きこまれたハートの数、
ハンパないし。
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