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“今回勝てたから、一つお願いがあるんです。”
「はぁ‥‥っ。あはは‥‥っ
うん。負けた!」
「‥‥ごめん。」
「いいんです!」
私は必死に走った。そう、前と同じように。
それでも、私は先輩に追いすがることは出来なかった。
“もし。次も勝てたら‥‥私の気持ちを聞いてくれませんか。”
やっぱり勝てなかったなぁ‥‥。
先輩の影が遠くて、それでも諦めずに最後まで走り切った自分を褒めてあげたい。
「これで、いいんです。」
そう、先輩なりのこれはけじめ。
そして、私にとってもこれは決別。
「いつまでもくよくよしてられないんです!」
夢を諦めたくて諦める人なんていない。
芯を強く持って挑んでいくしかない。
それでも、私は諦めてしまった。
それも人生の道。
だけど、まだまだ未熟な自分は迷いを、自分の力では捨てきることが出来なかった。
その迷いに気付いてくれていたんだと思う。
もう、卒業してから先輩から連絡が一切無かったことで私自身の気持ちの整理はついていた。
先輩が、例え気持ちを伝えたとしても応えてもらえないことはわかっていたから。
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