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「…萌」
彩加はわたしの顔を
ぐきっと自分の方に向けた。
「もし何か特殊なことを
要求されたら、ちゃんと
断っていいんだからね。
判断がつかなかったら、
途中でも『待って』って言って、
電話しておいで?私が常識の
範囲なのかどうか、
ジャッジを下してあげるから」
「……」
…特殊な…?
「特殊って、例えばどんな…」
その時、ガラッと
前方の戸が開いた。
「お疲れ」
袴姿の先生が、
すたすたと教室に入って来る。
「はい、席に戻って。
最後のHR、始めるよ」
「きりーつ」
日直のヒロシが、
最後の号令をかけた。
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