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「…えーっと。 全員、揃ってるかな」 着席した卒業生たちの顔を ざっと確認してから、 春山先生は小さく頷いた。 「それじゃ、 …俺から最後に、一言」 コホン、と咳払いをしてから、 春山先生はいつものように、 両腕を突っ張るようにして 教壇に手をついた。 「今日で、このクラスも 解散となるわけだけど。 俺としては、 ほっとしてる気持ちと、 寂しい気持ちが半々くらい…。 いや…。 ゴメン、嘘。 ――寂しい気持ちが、9割か」 笑い声が上がり、 春山先生もニッと笑顔を浮かべた。
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