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結局 何も言えなくて、掴んだ腕も離してしまった。
不思議そうに俺を見ていた勝の視線が廊下に移動する。
「あっ!藤野先輩だ!!」
急に目をキラキラさせる勝。
振り返って廊下を見ると、教室の入り口に藤野先輩が立っていた。
「お久し振りです!どうされたんですか!?1年の教室なんかに」
「久し振り。いや、ね…受験終わったから稽古出ようかと思って。部活予定表の余り持ってる?」
「ありますあります!!ちょっと待ってください!」
そう言うと、勝は自分の席に紙を取りに行った。
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