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普段から滅多に使われることのない教室の中に入ると、同時にピアノの音も止んだ。
「あれ、宮原?」
「刈谷くん……。」
ピアノの前に座っていた人に、貴大は見覚えがあった。
同じクラスの宮原 結斗(ミヤハラユイト)
大人しい性格で可愛らしい顔立ちをしている宮原は、男にとてもモテる。
(俺はノンケだから、付き合いたいとか思わねぇけど……)
「いつもピアノ弾いてたのって宮原だったんだ?」
そう尋ねると、すぐに顔が赤くなった。
「あー……うん、そう。」
「もっかい聴きたいからさ、弾いてくれない?」
椅子に座って頼めば、
いいよ、と短く答えて宮原は弾き始めた。
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