帰るべき場所

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「なあ、清正。」 「…どうしたんだ?」 「我の悩みを聞いてくれぬか」 大夢がそう切り出したのは、お昼休みも残り10分になった時だった。 お昼ご飯代わりの飲むゼリーを咥えたまま、ソファーで気持ち悪い程リアルなチョウチンアンコウのぬいぐるみを抱き締めている。 少し前に誕生日プレゼントで後輩たちから貰ったと言っていたな。どうでもいいが気に食わない。 それよりも… 「悩みって?」 こいつに悩むことなんかあるのか。 いつも本能で動いてるのに。 「あぁ、それがな…」 自分から言い出した割にもごもごとしている。 「実は…」 「うん?」 「最近…よく眠れないのだ…」 顔を少し赤くして、上目遣いをしてくる。 あ、可愛い。 不覚にもそう思った。
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