帰るべき場所

4/6
前へ
/151ページ
次へ
「我は犬猫など興味ないけどな!爬虫類は深海魚に匹敵するくらい素晴らしいぞ!ああ、今日も帰ったら新鮮なコオロギをあげなくては…」 懐からiPhoneを取り出して、嬉しげにトカゲの写真を見せてくる。ついでに餌であろう虫たちも。 うーん……これが可愛い…のか? 確かに目なんかは猫っぽくて愛嬌あるかもしれないが… 「ま、まあ寮に帰ってるのは良いことだが何で眠れないんだ?」 「はっ、そうだったな!本題をすっかり忘れていたぞ」 真面目な顔になって、清正を見る。 「あのだな…この子はロザリオというのだが、そもそも夜行性なのだ。昼間はずっとシェルターにこもって出てこない。もう我はロザリオの行動が気になって気になって夜中ずっとケージに張り付いてしまうのだよ…すると気付いたら朝を迎えてるのだ!」 バカと天才は紙一重と言われているが本当かもしれない。
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!

196人が本棚に入れています
本棚に追加