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「宮原は、俺のこと……嫌い?」
「………ぃ。」
「えっ?」
「刈谷くん、酷いよ……。」
顔を上げた宮原と視線が絡む。
その目は赤く、潤んでいた。
「みっ「好きに決まってるじゃん!!」
名前を呼ぼうとしたら大きな声で叫ばれた。
「ずっと前から好きだったよ!気持ちまぎらわす為のピアノもいつの間にか〈Je te veux〉ばっか弾いちゃうくらい!刈谷くんはこの曲の意味知らないから……ただ、僕の八つ当たりなんだよ…。」
最後の方はほとんど消えかかっていた。
「え……曲の意味って?」
「きみがほしい。……ね、引くでしょ?刈谷くんの言う好きって、友達に対してのだもんね」
そう言って、自嘲気味の笑みを浮かべた。
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