武道場で

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ゴクゴクと飲みながらも、視線は今現在、試合をしている選手に注がれている。 その真剣な様子にドキッとした。 「三葉高校の古谷選手と……」 「明成工業の壱川 克己。」 手元にあるトーナメント表を確認していた僕の横で、藤野先輩が呟いた。 「え?……あ、本当だ。」 確かにトーナメント表にも、 『壱川 克己(明成工業)』と書いてある。 ……明成工業って言えば、昨日の団体で準優勝だった学校だ。 「この試合、間違いなく克己が勝つよ。」 自信を持って、先輩がそう断言した。 ……そのすぐ後。 「ドォォォッッ!」 赤の旗が3本とも上がる。 「うわ……凄い。」 見事 予想が的中したことと、綺麗に決まった打ちに。 僕は立ったまま、微動だにすることが出来なかった……。
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