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その後に始まった決勝戦は、それはそれは物凄く白熱した試合になった。
どっちが勝ってもおかしくない、本当そんな状態で試合は進んだが、延長戦にもつれ込んで先に一本を取ったのは、相手の選手だった。
閉会式が終わると、先輩方の荷物を運ぶため僕たちは駆り出された。
「先輩、防具…持って行きますね。」
「……うん、」
幾分 疲れた表情をして、藤野先輩は答えた。
防具を抱えて走っていると、途中
明成工業の生徒の前を通った。
真ん中で笑っているのは、優勝した壱川選手だ。
(あの人のせいで……)
僕の心の中を、もやもやとした黒い感情が支配した。
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