放課後の図書室

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「あ………。」 その人はフワッと微笑んで、カウンターから動けないでいる僕の方へゆっくりと歩いてくる。 その距離、およそ5メートル。 「君、名前は?」 凛とした、とても澄んだ声が 自分たち以外は誰もいない図書室に響いた。 「あ……え、と…1ー3の…松葉、千裕(マツバチヒロ)です…」 「そう…千裕くん、ね。」 ドクンッ 名前を呼ばれただけなのに、全身の血が逆流したかのように感じた。
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