196人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺は2ー7、
二階堂 澪(ニカイドウレイ)よろしく。」
もう一度、目の前でふんわり微笑まれたら
「は、はい……」
暴れる心臓を必死に抑えて、返事をする。
「それじゃ、また明日。」
机に置いていた本を取って、扉の向こうへと消えていった。
その背中を恍惚とした表情で見送る。
『―下校時刻になりました。校舎に残っている生徒は……』
「あっ、やばっ!」
廊下から放送が流れて、ようやく我に返った千裕は、慌てて鞄を掴み図書室を後にした。
下校時刻まで、あと残り5分。
[完]
最初のコメントを投稿しよう!