放送室のあの子

3/15
前へ
/151ページ
次へ
でも、何て言うか……こう、聴いてるだけで背筋がゾクゾクッてする歌手とかいるじゃん? 俺にとっては、スピーカーごしの声が正にそんな感じ。 「あー、やべー……結婚したい。」 机にへばりついて悶えていると、 「なら、今すぐ放送室に行ってプロポーズしてこい。」 素っ気ない声でそう言われた。 どうやら彼は、俺の相手をするのが面倒臭いらしい。 「でもさぁ、どんな子かも知らねぇし?急に、好きです!貴方の声が!……とか言ったら引かれるっしょ?」 「俺はもう引いてるけどな。」 「黙れ。」
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!

196人が本棚に入れています
本棚に追加