中庭で会う

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夏の暑い日。 近くの木でセミが鳴く。 校舎の影。 死角になってて、近くを歩いてた奴らは気付いてくれなかった。 囲んでいるのは、俺より年上の奴ばかり。 押さえ込まれて、 口を塞がれて、 秘部を曝される。 ……俺が何をしたんだよ。 「中森?」 名前を呼ばれ、現実に戻った。 拳を握りすぎて、爪が食い込んでいる。 きっと、顔は真っ青だろう。 「あ……、うん?」 「悪ぃ、言いすぎた」 別に、廣瀬のせいとかじゃないんだけどな。 昔のことを思い出しただけだ。 時々、あの悪夢のような日がフラッシュバックする。
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