中庭で会う

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「それで……その、初めてじゃないってどーゆーことだ?」 「まんま。俺って可愛いからさ、この学校いたら襲われんのなんて無理もねーよ」 自分で可愛いと言う奴がいるか、と廣瀬は笑う。 「…そうか、でも」 今度は心配そうに、俺の顔を覗き込んできた。 「良いのかよ、それで」 「……良くはねーな。けど、どうしようもねぇし」 周りに愛想良くするしか。 それ以外に、方法がない。 俺だって、昔は自分らしく生きていた。 それを崩されたのが、あの日。 「5人いたんだ」 「何が?」 「俺を襲った奴ら。まだ中学ん時で、体育館の裏に呼び出されて行ったら……犯された」 「なっ……」 廣瀬が目を見開いて、俺を見る。 まぁビックリだよな、こんな話。
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