中庭で会う

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……悔しかった。 何も出来ない自分が。 いいように体を弄ばれ、貫くような痛みに体が悲鳴をあげた。 幸運にも、通りがかった教師に俺は助けられて、犯した奴らは全員退学処分。 学校側が俺のことを考え、大きな騒動にもならなかったので、このことを知っているのはごく僅かの人間だ。 でも、それから俺は変わった。 生意気だと思われないよう、自分を殺す毎日。 あんな思いは二度としたくない。 だったら、敵を作らなければいい話だ。 「なぁ、中森」 「……何だよ」 泣いてしまったのが恥ずかしくて顔を上げれない。 こいつといると、調子狂うな。 「俺、お前のこと誤解してたわ」 「別に構わねーよ」 馬鹿にしてたのは、事実だし。 てか、あまりにも図星すぎて逆にビビった。
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