終焉

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こめかみにキス。 「…紙より軽かったな、陽介さんの貞操観念」 まぶたにキス。 「ナルちゃんも毎回毎回よく乗り込んでくるよねー?ヒマなのー?」 …イヤイヤ、何回かは免れてるじゃん。 てゆーかヒマなワケあるか。 あれから10年。 九頭龍会の顧問弁護士になった陽介さんと、正式に若頭になった僕はいまでも一緒にいる。 持ち前の粘り強さと根性で実は勉強が出来る機能以外は、ペラッペラだったこの人をまだ追っかけている。 何度かギブアップしかけた僕。 その度に甘やかされて誤魔化されて、唆されて毒され続けて… たまに浮気の報復でさっきみたいに他の男呼んでヤってみても、陽介さんは一向にヤキモチを焼いてくれなくて… 「…なんかもうわかんなくなってきた。」 最近はこれはこれで僕もいろんな人間と出来るからいいんじゃないか、とすら思えてきた。
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