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「いやんテンプレじゃない。」
ゲートを潜り抜けて最初に目に映したのは、これでもかと言う程鬱蒼と茂る木々達。
背が高い多分森であろう場所に生えている木が陽光を遮っている為辺りは薄暗く、まさにふぁんたずぃーのテンプレ、とか思いながら視線を右に移すとクリスタル色の巨体がいた。
「え、これテンプレだよね?」
とつい自問自答したのは、ドラゴン(十メートルくらい)の足?元にずらりと死体が積み重なっていたから。
成る程、来た当初から気になっていた臭いはこれか、と納得するとドラゴンが僕に気付いた模様。
「何か用か?人の子よ。」
どうやらこのドラゴンはいきなり襲ってくる程愚かでは無いらしく、さてどうしようかと思案するも答えは直ぐ出た。
「ねぇ、撫でていい?」
「………………あ、あぁ構わないが。」
だってほら、僕考えるのとかめんどいから嫌いだし。
だから先に自分の欲求を埋めることにしたんだ。
「む、くすぐったいぞ人の子よ。」
「ほー、ドラゴンの鼻ってスベスベしてるんだね。ハマりそう。」
ドラゴンに屈んでもらい、鱗やら何やらを撫でまくった後鼻を満足するまで堪能し、その後はドラゴンと戯れた。
二時間後………………。
「へぇ、ドラゴンって今一万年も生きてるの?」
「うむ、ドラゴン族は長寿だからな。それと、私のことはラグスと呼んでくれ。」
「そ?分かったよラグス、なら僕のことは志紀って呼んでくれよ。」
五時間後………………。
「で、そこで嫁が勇者を捻り潰したんだ。ぷちゅっとな。」
「はは、随分茶目っ気の強い嫁さんじゃないか。」
「うむ、今はもう死んでしまったんだがな。とても強く優しい嫁だったのだ。」
「そっかぁ、なら僕もラグスの嫁さんに会ってみたかったなぁ。」
翌日……………。
「…………で、といかん志紀、いつの間にか日を跨いでおる。」
「あ、本当だ。」
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