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「正確には飽きない世界、だ。そこのクソ猫がすまないな。」
と、そこで新たな人物が登場した。
猫では無く、僕と同じ人間が。
「俺達の条件さえ受け入れてくれれば、キミの望みを叶えよう。」
この空間とは相反する色の髪を持った白髪の男性が、僕にそう言葉を投げ掛けてくる。
僕はその言葉に反応はすれど、声を返すことはせずに、その男性を観察することにした。
真っ白な、何の混じり気も無い純白の髪と、宝石なんかよりも遥かに綺麗な翡翠色をした双眸に、均衡の取れた容姿は多分幼なじみな八尋なんかよりよっぽど魅力的に思え、直ぐに視線を他にずらす。
美形には興味の無い僕ではあるけど、なんとなくこの人からは容姿以上の、不思議な何かを感じたから。
「フェイ!クソ猫とはにゃんだクソ猫とは!ボクは立派にゃ…………!」
「ああ、立派にゃクソ猫ちゃんは黙ってような。」
それはもしかしたら、同類というものかもしれない。
「で、キミは俺達と取引、するか?」
「うん。」
「…………そうか、ならば内容を話そう。」
問い掛けに最初から決めていた返事を口にすると、フェイと呼ばれていた男性は一瞬驚くも、直ぐにそれを消して本題に入った。
要約すると、こうだ。
1、最近ビッチ神が転成というものにハマっているらしく、気に入った奴をどんどん自分の世界に送り歪みが起こっている。
2、その転成した奴が好き勝手なことをするから余計に歪みが酷くなり、先日遂に死神界とかいうとこのトップがクレームを出した。
3、そのクレームを聞いた神界とかいうとこの結構偉い奴がそのビッチ神に詳細を聞きに言ったらしいが、その偉い奴も腐っているのでビッチ神と肉体関係を繋いだ後それを揉み消す。
4、その事実を知った死神界のトップが怒り、そのビッチ神と結構偉い神を殺害し黄泉へ送った。
5、それ自体はなんの問題も無く(寧ろ神界のトップが死神界のトップへ謝罪した)終わったが、次に問題視されたのが転生者や転成者が増えすぎたビッチ神が担当していた世界なのだそう。
これでさえまだ長いのにまだ続く。
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