5人が本棚に入れています
本棚に追加
「志紀がいいなら、まだ大丈夫だが?」
慌てた様子も無くそう僕に言い返すフェイだけど、シロネは何言ってんだゴラ、的な目線をソファに寝転びながら送ってくる。
「フェイ、ボク等が構わなくても志紀には時間がある。早めに行かせた方が良いんじゃないか?」
「とは言え、志紀には能力をあげたとしても身体に馴染むまでそれこそ時間が掛かるだろう?」
「まだあげても無い癖にそんなこと言うな。」
と、二人?は僕の所在を決め倦ねているみたいで、僕は暫くぼっちだった。
というかシロネの猫っぽい口調がいつの間にか無くなってるんだけど、どうしたのかね?
「…………ら、それでいいか。」
「うむ、それなら一致するだろう?」
横に逸れたことを黙考していると二人?は意見が噛み合ったのか、僕の前に立ちフェイが僕の胸辺りに手を伸ばし、そのまま当てる。
当てた時になんとなく驚かれた気もするけどまぁ、気にしないの方向で。
「………………志紀、お前、女だったのか?」
「え?うん。」
と思っていたらフェイがそんなことを言い出したから僕は当たり前だクラッカーだろ?的なノリで返しといた。
てか男だと思ってたの?髪長いじゃんか。
「スマン。」
「いや別に構わないから説明してくれる?」
フェイは以降取り乱さずに説明してくれた。つまらないな。
要するに、今から能力をあげますよと。
その際なんかリスクも説明されたよーな気もしなくは無いのだけど、聞き流してたから右から左で頭の中に入って無いです。
「じゃあ志紀、行ってらっしゃい。」
「行ってら。」
「うん、行ってきまーす。」
そんな軽いノリで、僕はフェイが繋いでくれたゲートとかいうのを潜り抜けて異世界に渡った。
「じゃあシロネ、俺達も行くか。」
「うむ。」
無論、そんなやり取りがあったことなど知る由も無い。
最初のコメントを投稿しよう!