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「じゃあ、お腹の子のために一緒にお風呂に入る練習でもするか?」
「は!?」
思いもよらないユキの言葉に私は自分の耳を疑った。
―――今、なんて言った?
「や、普通は入らないでしょ。旦那さんが入れて奥さんが受け取る、っていうのが普通でしょ?」
心なしかジリジリと距離を詰めてくるユキに危機感を覚える。
「普通てなんだよ。会社の後輩の話では二人で入れてるって言ってたぞ」
ヤバい……
ヤバすぎる……
ユキの目があまりにも真剣で怖い。
「それは人それぞれってことで、ね?うちは1人が入れて1人が受け取るってことにしよ?」
まるでユキを宥めるように、やんわりとした口調で説得を試みてみる。
ずっと一緒にお風呂に入ることに抵抗を覚え、拒否し続けていたのに、今更一緒になんて入れない。
しかも、そんなに目立たないにしても今の体系は、あまりユキには晒したくはなかった。
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