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「確かに、それは一理ある。だけど実践してみないと、どっちがいいかなんて分からないだろ?」
―――やっぱり駄目みたいだ……
とはいえ、私も頑として譲るわけにはいかない。
「そうだね。だけど今日はすごく疲れたし1人でゆっくり入りたいから、また今度ね」
サラリと言いのけるとユキの横をするりとすり抜ける。
でも、あっさりと許してくれるわけなくて遮るように腕を掴まれた。
そして軽く引き寄せられる。
やっぱり逃がしてもらえそうにないか、と半分諦めかけたとき
「残念。さすがに無理させてお腹の子に何かあったら困るから今日は諦めとく」
そう言って私の頭に口づけると解放してくれた。
「ほら、しっかりと温まってこい」
私の考えなんて、まるでお見通しといった感じで軽く笑い、私から離れキッチンの方へ消えていってしまった。
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