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「先生の、…お母さんも、
和真さんも、翔平くんも
マミさんも…。
みんなわたしのこと、
すごく大事にしてくれて…。
…それは、家族のみんなから、
春山先生が大切に
思われてるってこと
なんだと思うんです。
そう思ったら何ていうか、
あったかい気持ちになって
…涙が…」
「……」
先生はわたしの顔を
しばらく見つめてから、
ふっと顔を逸らした。
「まあ、…あの人たちも、
暇だから。また、
気軽に遊びに来いよ」
「…はいっ」
わたしがいいお返事をすると、
先生は前方を見たまま
クスッと笑った。
「車、出すよ」
そして、ゆっくりと
サイドブレーキを降ろした。
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