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「ありがと、しーなさん」 「え」 「これでとーちゃんに、 ライダーの限定カード、 ネットオークションで 落札してもらえる」 「……」 はい? 狐につままれたような状態で ぽかんと見上げると、 翔平くんはトトトッと 部屋を飛び出し、 「とーちゃーん、 下の名前、もえだってーーー」 と叫びながら階段を 下りて行った。 「……」 まさか、翔平くんが 刺客だったとは…。 あの瞳にあの無邪気という 組み合わせはもはや、 最強の凶器…。 「和真さんの卑怯者…」 極限まで脱力したまま 座り込んでいると、 開いたままのドアが コンコン、とノックされた。 「椎名」  放心状態で振り返ると、 廊下から春山先生が 顔を出していた。 「そろそろ、行くよ。 支度して」

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