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焦らされて 泣きそうになりながら 身体をよじると、 先生がわたしの頬に 愛おしそうに頬ずりをした。 そのまま首元に深く顔を埋め、 首筋から鎖骨にかけて、 濡れた唇をじっくりと動かしていく。 時々立ち止まり、 音を立てて舐められるたび、 ぴくぴくと身体が震える。 抑える事の出来ない、 自分の甘すぎる 呻き声が恥ずかしい。 …先生…。 …もしかして…。 わたしたち、このまま…。 「せんせ…」 わたしはくらくらと 頭の中を揺らされながら、 呟いた。 「すき…。先生…」 『卒業式の夜、空けとけよ』 あの時、ブースの扉の前で 先生が言ってくれた、 特別な言葉。 その、約束の夜を やっと迎えた今の二人の心は、 あの頃よりもずっと、 ずっと強く固く結ばれている。
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