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「はぁ?エラーって…」
メカにはあまり強くない少女がしばらく困惑していると、再び向こうからの通信が始まる。
『未確認機に告ぐ、許可証がない限り地球への立ち入りは認められない。機体ナンバーを報告せよ…』
「だからぁ、機体ナンバーE194778…」
しかし右上は通信エラーの表示のままだ。
どうやら一方的に受信しているようで、相思相愛とはいかないらしい。
そしてついには、地球突入へのカウントダウンが始まった。
『未確認機に告ぐ、直ちに機体ナンバーを伝えよ。ここは未開惑星立入り禁止区域だ、繰り返す立入り禁止区域だ…』
「だから…」
少女が口を開きかけたと同時だった。
頭上からは赤い点滅とともに警告音が鳴り響くと、牛乳瓶がカタカタと音を鳴らし、床へと転がり落ちた。
大気圏突入スタート。
「ちょ、ちょ、やばくない…?」
少女の予感は的中した。
すぐさま地球から歓迎の印として、プレゼントをお届けするらしい。
警戒モニターには、地球側よりミサイル発射の熱源感知の警告音も鳴り響いている。
それも魚群のような無数のミサイルだ。
熱烈な歓迎である。
「ずいぶんと文明レベルが進歩したことっ!」
少女はそう言うと、操縦をマニュアルへ切り替えた。快適なフライトがいきなり台無しにされ、徐々に苛立ち始める。
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