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近頃はいつもこんな感じでハカセ
と町をうろうろするのが日課になりつつある。
とはいえ、ナンパなんか出来ないのが僕たち草食恐竜で、やる事といえば女の子がいそうな場所を通りかかったり、かわいい子を見つければこっそりと後をつけたり…。
おいおい、これってストーカーですよね…?
「…なぁハカセ、僕たち何か間違ってないか?」
しばしの沈黙。
「…かもなー、はぁぁぁっ!」
「!!お、おいっ!」
ガクンとハカセがうな垂れたせいで思わず自転車がブレる。
「なぁ、守…」
「危ないなっ、何だよ?」
「俺たちの純潔協定は不滅だよなぁっ!」
結んでねぇよ!ってオーソドックスなツッコミが喉からでかかったがひとまず飲み込んだ。
とにかくすでに炎天下で無駄な有酸素運動を始めて早一時間は経過している。
今は無駄なやりとりはしたくない。
片手で額から流れる汗を手で拭うと、同時に右脚辺りから微かな振動。
手で抑えると携帯電話の振動だった。
取り出した画面には、不在着信、水森露子(みずもりつゆこ)の表示。
そして、背後に感じる嫌な気配。
「裏切ったな…俺の気持ちを裏切ったなっ!」
「ば、ばかっ!違うよ、委員長だぞ?多分、夏休み中の花壇の件だって…」
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