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「父さんと一緒で裏切ったんだっ!」
「ハカセの親父さんの事は知らないし、そしたらお前は誰の子だよ!」
「DNA鑑定では何パーセントで親子だった!?俺は一致してたのかっ!」
「知るかっ!」
と一先ず携帯をポケットへと戻す。
今は厄介な事になりそうだし、後でかけ直すことにしよう。うん。
「にしても、守の携帯に女のアドレスなんてよ。委員長といつの間にって感じだよ」
水森露子、通称委員長。
僕たちは中学途中で転校してきてからの付き合いだが、絵に書いたような優等生メガネっ子で真面目、無口、無感情の三拍子な彼女。
始業式早々に行われる、民主主義制度の賜物である学級委員長選出にて、水森は圧倒的なトップ当選を果たした。
しかもそれは転校以来、常であり天地創造の頃から知られた事だ。
そして今学期ーー。
そんな彼女と生物係という、名誉ある係で一緒になれたのだ。
「お前は目が曇っているから分からないよな。委員長のメガネ外した顔を見た事のある俺だからこそ断言出来る。あいつ、実は美人だぞ?」
「そ、そうだっけ?そういう視点で見たことないし、そういうの興味なさそうじゃん」
美人は僕も承知の通りだが、とぼけることにする。
ハカセと同じ穴のムジナは受け入れ難い。さらにハカセは続ける。
「女ってのは、そういう抑圧された奴にありがちなんだ。実は…ってのが。あと、委員長隠れ巨乳です…」
「ボソッと言うな。ってか頭の中そんな事ばかりかよ」
「はい、そうですけど!男子高校生の99.9パーセントはそんな奴ばっかりですけどねぇ!」
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