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男子高校生ってみんなこうか?
ハカセはこんなこと年中言ってるけど、僕がこういったことに消極的すぎるのかな…,
自問自答しつつ、二人はハカセの家の前に到着する。
「おー、愛しのマイホーム!」
ハカセの家は白い新しい一戸建てで、近頃やっと建て替えが終了したばかりだ。
親父さんはローンを組んだらしく、馬車馬のように働いているらしい。
たまに会うことがあるのだが、顔色が悪いのもそのせいだろうか。
「サンキュー、で今日どうする?」
「ごめん、今日は用事があって…」
「そうか…って、そんな事言いながら、まさか水森とデートじゃあるまいな?」
「なっ、な訳ないだろっ!」
事実ではないのに、自分でも顔が紅潮していくのが手に取るように分かった。
確かにそうだったらいいけど、本当の所は用事っていっても録り貯めたアニメの消化だ。
「ハハハッ、お前がデートなんか出来ない事くらいわかってるよ。またな!」
「うるさいよっ」
「だが念の為だが、裏切りには…」
手で首を切るジェスチャーしているが、目はマジだぞ、おい。
僕は手を降り、再び来た道へと自転車を漕ぎ始める。
「デートか…」
夏休み期間、学校の花壇があるのだが僕達生物係は各曜日に一度水やりをしに、学校まで来なくてはならないのだ。
ただ僕にとっては少し嬉しいことで、夏休み最初の日の曜日が当番の日に当たる。
だって女子と二人っきりだぞ?
思わず口角が緩む。
が、ふと前方から近づく小さい子を連れた親子の冷たい視線に気付き、口を真っ直ぐに結び直した。
一先ず、神様にありがとうと伝えたておこう。
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