488人が本棚に入れています
本棚に追加
祐希はよっしゃ、と気合を入れて、
「夕飯を楽しみに、
練習頑張るぞっ。
…んじゃ、また、夜ねっ」
ドアを開け、出て行こうとして、
祐希はこちらを振り返った。
「さよなら、しーなセンセっ」
「さようなら、椎名くん」
祐希が出て行くと、
わたしもブースの時計に
目をやった。
…もうすぐ、約束の時間…。
そう思うと、つい口元が緩んで
締まらない顔になってしまう。
スーツのポケットから
小さな手鏡を出し、顔を映す。
最初のコメントを投稿しよう!