其の五

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しばらくして足音が近づいて来る。 アレ?意外と早くきたな? 「あれぇ?ねぇねこっちだとおもったんだけど……」 もしやこやつ、数えるフリをして盗み見しておったな。 「さきにゆずさがそー!」 どうやら弱そうな柚湯から攻めるつもりらしい。 まぁ、賢明な判断だね! さすが我が弟。 私を見つけようなんざ百年あっても足りないっての。 それから数時経ったが私はまだ見つかっていない。 さすがにずっとしゃがんでるのもつかりたのぅ。もう足がピキピキじゃぁ。 しかも動かないので暇すぎる。 あー、つまらんよー! 鬼やればよかったー! ちくしょー!! 『ガサガサ』 んっ? 陽生が来たか? 『ガサガサ』 でもなんか違う、気がする。 というか草むらの中から聞こえるので確実に違う。 だって私、草むらの奥に入ってるわけじゃないものね。 陽生だったら正面から入って来るはず。 それに草むらの向こう側は歩道なのでお寺から出てしまう。 じゃあ、何? 『ガサガサ…………………………バキッッ』 さすがにちょっと怖いです。 うえぇ………………
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