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『ガサガサガサガサガサガサ』
うわうわうわっ!
近づいて来てるよ?
もうちょっとで背後に来ちゃうよ!?
本当はここから出ればどうって事はないのだが、それは私のプライドが許さない。
ビビって逃げたら捕まった。なんて間抜けな理由で鬼になったら、恥だ、恥。
それにきっと、犬か猫だよ!うん!
そんな事を考えて現実逃避しても、こちらに近づいて来る“それ”の音は止まない。
先程よりも音は一段と大きくなっている。
音が、止まった。
あ、う、しろ……………………?
背後には確かに温もりがあり、“それ”は思っていたよりも大きかった。
どう考えても犬猫と言える大きさじゃない。
人……熊?………………………生きて、る…………………?
え………瀕死……………………?
「お、い?」
しゃべったぁぁあ!幽霊!?
怖っ!やっ!!怖ぁーーーっ!!!
「っひゃぁうぅぅぅう…………!!……………………むぐむぐ」
「うわっ!悪いっ、静かにしてくれ…………!」
思わず出てしまった悲鳴(?)は背後の“それ”によって強制的に遮断された。
どうやら大声を出されたら都合が悪いらしい。
幽霊!?人攫い!?
私!人質!?
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