其の七

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「おい、なーに睨んでんだ?ごらァ" 元と言えばてめぇが人様の大事なとこを蹴るから!!!」 「そっ、れはごめんなさい………… で、でも元の元と言えば、お……………貴方が酷いこと、言うから……………」 「ああ"ん?それの元はてめぇが馬鹿なこと言うからだろぉが!?」 ば、馬鹿って!!酷い! てか、ヤクザ……………………… 「真剣です!馬鹿にしないで下さい!!!」 「…………………じゃあ、何で剣術習いてぇんだ?」 「……………………言いません」 言えないじゃなくて、言わない。 少し遠回りな言い方だが、実際は“言いたくない” きっとこの人はふざけたことを言うと、またキレるのだろう。 「言え、そしたら少しは考えてやる」 命令形……………………ヤダ。 でも、本当に?嘘ついてない? でもきっと、また馬鹿にされる。 「……………馬鹿にしませんか?」 「誓ってしねぇ、信じろ」 また、命令形……………… でも、その目は真っ直ぐと私を見ている。 じゃあ、今だけ信じます。おっさんのこと。
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