其の八

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「本当か?」 「本当だよ!」 「そっか、偉いな」 未だに撫でられている頭はふわふわとしている。 まるで兄ができたようだ。 現代は全然関係が違ったのにな……………… なんだか不思議な気分だ。 今まで子供っぽいと思っていた相手に、子供扱いされるとは。 「なんか…………藤堂さん、兄上っぽいね」 「………ははっ、そうか?」 「うん!」 「そりゃ、どうも」 「うん?」 藤堂さんは柔らかく微笑んだ。 その後、道場まで一緒に歩き稽古をつけてもらった。 今までと変わりなく話し、ふざけ合っていた。 だからきっと、 先程の微笑みが、無理矢理作られているように見えたのは見間違いだろう。
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